バーゼル問題 Σ[k=1→∞](1/k²)=π²/6 の証明を複素積分を使って証明してみよう。
まず、∫[0→∞]x/(-1+e^x)dx   の値を考察する。
複素積分f(z)=z(2πi-z)/(-1+e^z) として、∮[C]f(z)dz を計算する。
ここで、Cの経路は、以下のような長方形C1 : 0→R  (実数軸)  z=t  (0≦t≦R)C2 : R→R+2πi   z=R+it   (0≦t≦2π)C3: R+2πi→2πi     z=t+2πi   (R≧t≧0)C4: 2πi→0       z=it    (2π≧t≧0)
z=0は、lim[z→0]f(z)
ロピタルの定理より、(z(2πi-z))’=2πi-2z{-1+e^(z)}’=e^(z)で 2πi で除去可能な特異点である。
また、z=2πiも、lim[z→2πi]f(z) =-2πiで除去可能な特異点であるので、
∮[C]f(z)dz=∫C1+C2+C3+C4=0になる。
⑴ ∫C1+∫C3について
∫C1=∫[0→R]t(2πi-t)/(-1+e^t) dt

∫C3=∫[R→0](t+2πi)(-t)/{-1+e^(t+2πi))} dt=∫[0→R]t(t+2πi)/(-1+e^t) dt

∫C1+∫C3=∫[0→R]{t(2πi-t)/(-1+e^t)+t(t+2πi)/(-1+e^t)} dt=∫[0→R](t(2πi-t)+t(t+2πi))/(-1+e^t) dt=4πi∫[0→R]t/(-1+e^(2πt))  dt
R→∞で、∫C1+C3=4πi∫[0→∞]t/(-1+e^t}) dt

⑵ ∫C2について
∫C2=∫[0→2π](R+it)(i-R-it)i/{-1+e^(R+it)} dt=i∫[0→2π](R+it)(i-R-it)/{-1+e^(R)e^(it)} dt
R→∞で、分母のe^(R)が急速に∞になるので、この積分値は0になる。


⑶ ∫C4について
∫C4=∫[2π→0]it(2πi-it)/{-1+e^(it)} idt=∫[2π→0]-t(2πi-it)/{-1+e^(it)} dt=i∫[0→2π]t(2π-t)/{-1+e^(it)} dt

よって、∫C1+C2+C3+C4=04πi∫[0→∞]t/{-1+e^t}  dt+i∫[0→2π]t(2π-t)/{-1+e^(it)} dt=0が成り立つので、
∫[0→∞]t/(-1+e^t) dt=(-1/4π)∫[0→2π]t(2π-t)/{-1+e^(it)} dt…………①

この右辺の∫[0→2π]t(2π-t)/{-1+e^(it)} dt……②について検討する。
ここで、恒等式1/(-1+e^a)+1/(-1+e^(-a))=-1……③を使って②をt=2π-sと書き換えると、t=0のとき、s=2πt=2πのとき、s=0∫[2π→0](2π-s)s/{-1+e^(2πi-si)} (-ds)=∫[0→2π]s(2π-s)/{-1+e^(-is)} ds……④
になる。そうすると、②と④の値は等しくて、②+④をつくってやると
∫[0→2π]t(2π-t)/{-1+e^(it)} dt+∫[0→2π]s(2π-s)/{-1+e^(-is)} dsここで③の恒等式を使って、=-∫[0→2π]t(2π-t)dtが成り立つ。
-∫[0→2π]t(2π-t)dt=-4π³/3 だから、②と④はその半分になって、
∫[0→2π]t(2π-t)/{-1+e^(it)} dt=-2π³/3である。
 ①に代入して∫[0→∞]t/(-1+e^t) dt=(1/4π)×(2π³/3)=π²/6が得られる。・・・・・A

次に、別な方法で同じ、∫[0→∞]x/(-1+e^x)dx を計算します。
まずは、被積分関数を変形します。
x/(-1+e^x)の分母と分子にe^(-x)を乗じる。
 x e^(-x) ・1/{1-e^(-x)} 
1/{1-e^(-x)} を級数展開する。
1/{1-e^(-x)}=Σ(m=0→∞) e^(-mx)

よって、 x e^(-x) ・1/{1-e^(-x)} = x e^(-x) ・Σ(m=0→∞) e^(-mx)=x Σ(m=0→∞) e^(-(m+1)x)
m+1=nとして、
= x Σ(n=1→∞) e^(-nx) 
ここで、∫[0→∞]x/(-1+e^x) dx=[0→∞] x Σ(n=1→∞) e^(-nx) dx= Σ[n=1→∞]∫[0→∞] x e^(-nx) dx 
この中の ∫[0→∞] x e^(-nx) dx の値について
不定積分∫xe^(-nx)dx=∫x・(1/(-n)e^(-nx))’dx=x/(-n)・e^(-nx)+∫1/(n)・e^(-nx)dx=x/(-n)・e^(-nx)-1/n²・e^(-nπx)だから、0→∞の定積分で、1/n²になる。
よって、∫[0→∞]x/(-1+e^x) dx=Σ[n=1→∞]1/n²=Σ[k=1→∞](1/k²)

Aより、∫[0→∞]t/(-1+e^t) dt=π²/6だった。
ということは、 
Σ[k=1→∞](1/k²)=π²/6
が成り立っている。